公務員には「社会的意義の高い仕事ができる」、「社会的信頼が高い」、「収入が安定している」といったメリットがあります。僕も公務員として働く中で、これらのメリットは魅力的に感じていました。
一方で、公務員として仕事に従事してみたものの、理想と現実の違いから転職を考えている方は多いのではないでしょうか。
僕は旧態依然・前例踏襲といった組織文化の中で新しいことにチャレンジできないこと、終身雇用・年功序列の環境の中で努力が昇任や給与に反映されにくいこと、があり、何度も何度も転職を考えることがありました。
でも、公務員としてのメリットを捨てることができず、なかなか転職に踏み切れませんでした、、、
そこで、この記事では「公務員の転職事情~どのくらいの人が転職している?~」と題して転職の実態と転職に向けて考えておくことをお伝えしたいと思います!
公務員の退職者数・退職率の推移
公務員は社会的・経済的に安定しているため、周りの人で退職する人は少ないのではないでしょうか。
そこで、平成29年度(2017年度)~令和3年度(2021年度)における公務員の退職者数と退職率の推移を分析してみたいと思います。
公務員の退職者数(年齢別)と退職率
総務省の地方公務員の退職状況等調査や地方公共団体定員管理調査結果の概要によると、平成29年度(2017年度)の退職者数は7,123人、退職率は約0.78%ですが、年々退職者は増加して、直近の令和3年度の退職者数は10,500人で、退職率は1.12%となっています。
この5年間で年間あたりの退職者数は約3,000人増加したことになります。
令和2年度(2020年度)はコロナ禍で求人が少なくなったことで、退職者数は8,532人と前年に比べて約600人の減少となっているものの、全体的な傾向としては増加しており、今後も増加していくことが考えられます。
退職割合(年齢別)
退職者の割合について年齢別にみると、25歳以上~30歳未満が約25%であり最も退職率が高い年齢層となっています。
次いで、30歳以上35歳未満、35歳以上40歳未満の退職率が高い状況です。
40歳未満の退職者が占める割合は約65%であり、第2のキャリアを歩む人の多くは40歳未満で退職しています。
有効求人倍率と地方公務員の退職率との関係
厚生労働省の一般職業紹介状況(パートを除く)の有効求人倍率と地方公務員の退職率の関係をみてみます。
有効求人倍率はざっくり説明すると、求人数を求職者数で割った数値です。
1を超えれば、求職者数より求人数が多く人手不足の状況といえます。
一方で1を下回ると求人数が求職者数より少なくなるため、失業率が高くになります。
有効求人倍率と地方公務員の退職率の関係をみると、平成29年度~平成30年度は有効求人倍率の増加に伴って、地方公務員の退職率も高くになっています。
令和元年になると有効求人倍率は平成30年度に比べて0.05ポイント低くなっていますが、地方公務員の退職率は0.09ポイント高くなっています。
コロナ禍であった令和2年度は例外として除いても、令和3年度の有効求人倍率は1.16と平成29年度に比べて約0.25ポイント低いにも関わらず、退職率は0.34ポイント高い状況になっています。
つまり、地方公務員の退職率が高くなっている理由は有効求人倍率の高さではないと言えます。
公務員が転職する本当の理由
人事院が令和5年12月5日に開催した、人事行政諮問会議において「処遇を含めた、戦略的人材確保の在り方」について検討されています。
その会議の事務局説明資料において公務員(国家公務員)の離職意向が分析されています。
40代以下で離職意向の要因をみると、「自己成長できる魅力的な仕事につきたい」、「収入が少ない」、「キャリアップできる展望がない」、「専門性・スキルが磨かれていない」といった要因が高い傾向にあります。
公務員は「社会的意義の高い仕事ができる」、「社会的信頼が高い」、「収入が安定している」といったメリットがあるものの、これらを上回るメリットを求めて転職する公務員が増えてきていると考えられます。
転職に向けて考えておくこと
公務員として働く中で、誰もが一度は辞めたいと思ったことがあるのではないでしょうか。
それでも辞めていない理由は、公務員には「社会的意義の高い仕事ができる」、「社会的信頼が高い」、「収入が安定している」といったメリットがあるからだと思います。
このようなメリットがあるにも関わらず、辞めたいと思ったときは辞めたい理由だけではなく、民間企業に転職する理由を併せて考えておく必要があります。
どういうことかというと、公務員を辞めたい理由が「自己成長できる魅力的な仕事につきたい」、「収上が低い」、「キャリアップできる展望がない」、「専門性・スキルが磨かれていない」だとすると、これらは転職の理由にはならないためです。
転職理由は、人生を通じて成し遂げたいことは何か(Will)、そのために何ができるか(Can)、なぜその企業でなければならないか(Must)の3つの問いに答えられるものでなければなりません。
まとめ
今回の記事では「公務員の転職事情~どのくらいの人が転職している?~」と題して転職の実態と転職に向けて考えておくことについてお伝えしました。
公務員の退職者数は年々増加傾向にあり、特に公務員としてのメリットよりも、民間企業でのメリットを重視して転職する若年層が増えています。
民間企業は決して甘いところではないですが、どうしても成し遂げたいことがあるものの、今の組織では成し遂げられないというのであれば転職をオススメします。
そして、その転職に年齢は関係ありません。
今後の人生において一番若い日は今日です!
何かを始めるのに遅いということはありません!
この記事を読んで少しでも頑張ろう、っていう気持ちになってくれたらうれしいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ではでは!
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